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翻訳大好き

サンビジネス特許翻訳者の熱い想い

サンビジネスの翻訳者が、特許翻訳への想いを綴りました。

様々な角度から翻訳妥当性を検討する

現在、主に、情報処理、電気・電子、半導体、機械関係等の特許文書の翻訳を担当しています。

私は、これまで、強い探究心を持って仕事に携わっておられる技術者の方々、様々な工夫を経て不可能と思えるものをも作り上げる職人の方々に深い尊敬の念を抱いて参りました。また、研究開発の重要性については、言うまでもありません。そのため、知財翻訳という知力・技術力の権利保護に関わる仕事に従事できることに喜びを感じますと同時に、その責任も常に忘れてはならないと肝に銘じております。

私は、これまでの技術翻訳者としての経験から、「正確な翻訳」とは意味を正確に伝えることとの考えを持ち、翻訳に当たっては、論旨や語句を確認するため関連記事の調査に時間を割き、その上で、適確で簡潔な表現を心がけています。また、特許翻訳者は、審査官から拒絶されない翻訳文を作成する必要があることも念頭に置きながら翻訳 に当たっております。

以上の点に加え、様々な視点から細心の注意を払い、お客様にご満足いただける翻訳を提供できますよう、今後も常に学ぶ姿勢を持ち、努力していきたいと思います。(T.A)

技術者からの熱いメッセージを訳文に!(翻訳者としてのモチベーションの源は…)

大学で電気工学を専攻し、電機メーカーに就職しました。時はバブル真っ只中でしたが、世の中の浮かれた状況とは裏腹に、私の勤めた会社には、ものづくりが好きでより良いものをより正確により安く生産しようとする努力を日々忘れない熱いハートの持ち主があふれていました。そんな素晴らしい同僚たちの中、私はといえば、どこか居心地の悪さを感じており、元来好きだった語学を使った仕事を求めて退職をしました。

念願がかなって特許翻訳に関連する仕事に就いて長い月日が流れましたが、私の翻訳に対する気持ちは今も仕事を始めたころと変わらず、仕事に対する興味や探求心はいまだ衰えることを知りません。お客様からの原稿を見ると、卒業後に勤めた会社で出会った同僚の熱いまなざしや思いが伝わってくるからでしょう。原稿の一字一句に、書かれた方の情熱を感じ、その思いに誠実に翻訳をしていきたいという願いが常に私のモチベーションとなっています。翻訳者として日本の優れたものづくりの技術の発展を応援できることを今もとても幸せに感じています。

AIが発展し、翻訳作業も大きく変わろうとしている昨今ですが、翻訳作業への情熱と原稿の向こう側の技術者の皆様への尊敬の気持ちはコンピュータにはまだまだ負けないつもりです。(Y.M.)

「人であればこそ」の翻訳を目指して

技術翻訳に携わって30余年、特許翻訳を始めてからおよそ15年が経ちました。その間は、目覚ましい勢いで発達し続ける技術の進歩に遅れまいと、目や耳から入る情報にアンテナを張り巡らせる緊張の日々でした。

翻訳者は孤独なものですが、インターネットの発達により、世界とつながっていることを実感できるようになってきました。そして何より同業者との横のつながりが、これまで多くの面で私を支え続けてくれました。多くの仲間が互いに切磋琢磨しながら情報を交換し合い、時には厳しく指摘し、時には励ましの言葉で背中を押してくれたのです。一日の大半をマシンと向き合う中、このつながりがこれからも大きな原動力となってくれるに違いありません。

近年、従来の翻訳からAI、すなわちニューラル機械翻訳への、大きな変革の波が押し寄せています。翻訳者にとって、未来は決して明るいものではないかもしれません。AIの膨大な知識量には遥かに及ばず、ミスの無い作業という点でもかなわないでしょう。しかし、まだまだ人の果たす役割は大きいと信じて、日々努力を惜しまず、機械にはできない「人であればこそ」の翻訳を目指していきたいと思っています。(N.T.)

絶滅危惧種?

つい先日、今年度の秋田県におけるツキノワグマ捕殺数が、推定生息数の6割弱の817頭に上ったということを知り、日本熊森協会(自然保護団体)の一会員として大変ショックを受けました。ツキノワグマは、絶滅危惧種だそうです。近年、この「絶滅危惧種」というコトバを見聞きするたびに、他人事ではないと一人苦笑することが多くなりました。

目覚ましい進化を遂げつつあるGoogle翻訳に代表される自動翻訳の翻訳業界への進出は誰の目にも明らかで、翻訳者が「絶滅危惧種」への道に追い込まれる姿が頭をよぎる今日この頃です。

しかし、現在の最先端自動翻訳による特許翻訳英文をチェックしてみると、自動翻訳にはできないことが何であるのかが分かってきます。今回は一つだけ例を挙げてみましょう。特許実務者側の執筆時間等の制約も原因かと思いますが、翻訳者に渡される和文原稿は誤記も含めて極めて分かりにくい文章であることが多いのが現状です。特許翻訳者が苦労する作業の一つとして、長文修飾語句と被修飾語句との関係を正確に見極める作業がありますが、これは今の自動翻訳では不可能と思われます。

とはいえ、進化を続ける自動翻訳ソフトがライバル(?)になったお蔭で、今や特許翻訳者に求められる能力はかつてなく高くなっています。自動翻訳ではなく熟練翻訳者に任せてよかったと納得していただける翻訳品質を心がけ、「絶滅種」ならぬ「存続種」でいられるよう頑張りたいと思います。(S.O.)

基本的なことが大事なこと

翻訳に携わって20年近く経ちました。これまで一貫して、最も重要なのは原文の理解であり、原文の理解とは技術内容の正確な理解であると考え、技術知識の学習に多くの時間を費やしてきました。訳出で疑問が生じた場合に技術知識によって解決したことは少なくありません。文系の翻訳者だからこそ意識的に技術について勉強することが不可欠と心がけています。

近年、特許翻訳の様相はずいぶん変化しましたが、本質的な所はあまり変わっていないのではないかと思います。かつて翻訳作業の大きな部分を占めていた情報収集はITのおかげで驚くほど簡単になりました。むしろ今の翻訳者にとって重要なのはその次の段階、つまり収集した膨大なデータから正しいものを選び出す判断力です。玉石混交のネット情報を評価し振り分けるのは容易ではありませんが、その判断の基礎となるのは、結局、昔から繰り返し言われてきた「専門知識と英語力」にシンプルに帰着するように思われます。基本と初心を忘れず、今後も新しい技術に好奇心を持って学び続け、より良い翻訳を目指して努力していきたいと思います。(A.I.)

特許翻訳業務について

特許翻訳、特に米国出願につきましては、最大限の適用範囲を確保できるよう心掛けております。例えば数値については「約」を補足して数値の限定を回避し、構成素子については「等」によって種類の限定を回避すると共に、「~で構成されている」等の表現につきましても、含みをもたせるため“include”を用います。その他限定的用語につきましても普遍的な表現にするよう心掛けております。類似する特許出願があった場合これらの細かい点につき争われる場合が近年特に頻発しているとの報告がなされているためです。また、原文に文法上の誤りがあった場合も、適宜対応致しております。米国出願の場合は、上記のような対策が可能ですが、PCT出願では「原文通り」が原則ですので、その範囲内で可能な限り有利な表現にするよう努めておりますが、その限界も否めない状況ではあります。

AIの登場により翻訳の現場がどのように変化するかにつきましては、少なくとも翻訳者にとりましては、余り歓迎すべきものではないように感じております。近い将来において、現在のような翻訳という仕事はなくなるものと考えております。勿論AIが翻訳したものをチェックする業務はあり得ますが、現在の様に各翻訳者がお客様のためを思って、最大限の努力をする必要がなくなる時代になることは否定できないと考えております。(To.A.)

言葉に敏感であること、技術の進歩に対する好奇心を持ち続けること

今から25年ほど前、特許翻訳を始めた頃から「1円たりともお金を頂いたらプロである」が持論であり、「『お金を払って損をした』とお客様に思わせてはならない」を信条としてきました。

そのために、納期を守ること、指示通りに作業すること、ケアレスミスを防ぐこと、辞書を引く手間を惜しまないこと、言葉に敏感であること、技術の進歩に対する好奇心を持ち続けることを心掛けてきました。

どれもプロの翻訳者としては当たり前の事ばかりですが、最先端技術を記述する技術文書でありながら、法律文書でもあるという特許文書の特異性を考えると、正確を旨とし、地道に作業する姿勢こそが、お客様の信頼を得る確かな道であると信じております。これからも、高品質の翻訳を提供して満足していただけるよう、日々精進していきたいと思います。(T.T.)

より良い明細書を目指して

翻訳全般に言えることですが、明細書を翻訳する場合に一番重要なことは、原文の内容を過不足なく表現することだと考えています。そのために原文の読み込みはとても大切です。勝手な思い込みで誤った解釈をすることのないよう、読み込みにはかなりの時間をかけ、参考文献・ネット検索等で関連技術を調べ、先行技術の問題点、本発明の利点を正しく理解するよう努めています。

日文明細書の英訳の際、翻訳に着手する前の段階で明細書の問題点・不明点を明細書作成者に問い合わせる機会が与えられることがありますが、このように事前に内容を確認し修正加筆してもらえることは、翻訳後の明細書の品質向上につながり、得策だと思います。

翻訳者はあくまでも黒子ですが、ただ単に言語を置き換えるだけではなく、翻訳後の明細書が発明の技術をより明確により分かり易く伝えることのできるものとなるよう、そのお手伝いができる存在でありたいと思っています。(A.M.)

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