2011年度 特許包袋電子化アンケート結果
はじめに
企業等がどのような動機で特許包袋を電子化しようとし、電子化後にその目的を達成できたのか、さらに電子化をしたことで当初予期していなかった改善(または改悪)があったのかを知ることで、クライアントに適したさらなるサービスの提供とクライアント間における情報の共有を目的に、アンケートを実施しました。
以下、アンケート結果を報告します。
概要
サンビジネスにより、特許包袋電子化を実施した22社にアンケートを行い、16社から回答を得ることができました。
なお、13社は最初に震災時における設問が設定しており、残りの3社と、一部設問に違いがありますが、集計の際には、可能なかぎり16社での数字を出すようにしました。そのため、設問の表記は、アンケートの文面と異なっています。
なお、パンフレット等における掲載の可否については、以下のとおりです。
はい | 1 |
匿名であれば良い | 15 |
いいえ | 0 |
アンケート結果
包袋を電子化したことでメリットがありましたか
「メリットがあった」が16社中15社でした。「情報の共有」など情報管理等に関することや、保管するための「スペース」「検索機能」などがあげられています。「(メリットが)なかった」も1社ありましたが、現時点では閲覧できない状況にあるためで、それでも紙包袋の電子データとして保険になっているとのことでした。
○コメントの概要
役に立ったこと理由(複数回答) | 件数 |
---|---|
情報の共有 | 4 |
社外での内容確認 | 2 |
情報アクセスの容易性 | 1 |
スペースの削減 | 3 |
スペース管理の容易性 | 1 |
倉庫代の節約 | 1 |
検索機能 | 2 |
しおりにより見やすくなった | 2 |
部署が2カ所に分かれているが、しおりが非常に有効 | 1 |
検索スピードの向上 | 1 |
文書の整理 | 1 |
マネージメント層の管理面で有用 | 1 |
取り寄せの必要がない | 1 |
紙によるやり取りがなくなった | 1 |
送付の手間の削減 | 1 |
書類紛失の減少 | 1 |
管理ルールの標準化 | 1 |
役に立っていない理由 | |
現状では、閲覧できないため活用できていない | 1 |
○「問 包袋を電子化したことでメリットがありましたか」コメント集
【某大手合成紙メーカー 課長】
|
【某特許事務所 ご担当者様】
|
【某大手製薬会社A 課長】
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【某大手電気機器メーカー 部長】
|
【某大手環境装置製造メーカー 主任】
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【某電子部品・半導体メーカー ご担当者様】
|
【某大手総合化学メーカー 主幹】
|
【某大手製薬会社B 課長】
|
【某大手通信メーカー 主査】
|
【大手ゲーム機器メーカー ご担当者】
|
【某大手タイヤ・ゴムメーカー 課長】
|
【某大手総合印刷会社 ご担当者】
紙ファイルだと書類が時系列順にファイルされていないことがあったが、必ず時系列順に書類が閲覧できるようになった。
|
【某大手自動車部品メーカー ご担当者様】
|
【某大手輸送用機器メーカー 課長】
|
【某大手精密機器メーカー マネージャー】
|
特許包袋電子化は震災の際、役に立ったか
「(震災の)影響はなかった」が7割程度を占めています。これは、震災による被害が特になかったためだと考えられます。
○コメントの概要
役立った理由 | 件数 |
---|---|
バックアップが複数あるので、心配せずにすんだ | 1 |
紙が散乱する危険を回避できた | 1 |
影響はなかったコメント | |
影響がなかった | 2 |
活用方法に変化がない | 1 |
被害がなかった | 1 |
保管場所が知財部門と同じビル内のため | 1 |
その他 | |
遠隔地保管を実行 | 1 |
記述無回答 | |
記述無回答 | 8 |
計 | 16 |
○「問 特許包袋電子化は震災の際、役に立ったか」コメント集
【某大手電機・家電製品メーカー 部長】
|
【某大手合成紙メーカー 課長】
|
【某特許事務所 ご担当者様】
|
【某大手製薬会社A 課長】
|
【某大手電子部品・半導体メーカー ご担当者様】
|
【某大手総合化学メーカー 主幹】
|
【某大手自動車部品メーカー ご担当者様】
|
【某大手通信メーカー 主査】
|
【某大手総合印刷会社 ご担当者】
|
【某大手精密機器メーカー マネージャー】
|
電子化実施後の要望等
「包袋を電子化したことで不便になったことや改善点があれば記載をお願いいたします」等の設問に対して、当社に対する要望等をまとめたものです。3割程度から要望等がありましたが、いずれも電子包袋そのものに対するものではありませんでした。
○コメントの概要
包袋電子化実施後の要望等(複数回答あり) |
---|
追加情報を加えるための手引書が欲しい |
共願案件、特に先方ハンドリング案件については、電子化を社内でやる必要があることが工数上、問題がある |
特許情報管理システムに包袋がリンクできていないため、活用できていない |
1件ずつのリンク作業には時間がかかるが、費用対効果を考えると、二の足を踏んでいる |
電子化のためのデータ入力にコストがかかる |
データ入力コストとの兼ね合いからすべての書類(全履歴)を電子化できないので、情報に欠落がある |
完全に電子化した場合、停電時に支障が出る恐れがある |
データベースのセキュリティ管理に工夫が必要 |
インターネット出願ソフトと、特許管理ソフトとの連携が取れれば非常に便利になると思う |
○「問 電子化実施後の要望等」コメント集
【某特許事務所 ご担当者様】
|
【某大手電気機器メーカー 部長】
|
【某大手電子部品・半導体メーカー ご担当者様】
|
【某大手通信メーカー 主査】
|
【某大手タイヤ・ゴムメーカー 課長】
|
【某大手自動車部品メーカー ご担当者様】
|
【某大手精密機器メーカー マネージャー】
|
【某大手輸送用機器メーカー 課長】
|
その他
○その他のコメント集
【某特許事務所 ご担当者様】
|
【某大手電機・家電製品メーカー 部長】
|
【某大手総合印刷会社 ご担当者】
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まとめ
16社中、特許包袋電子化により「メリットがあった」の企業は15社で、9割を占める一方、「(メリットが)なかった」も1社ありました。ただし、その1社の場合は、アンケート時において電子包袋を閲覧する環境が整備されていないためであり、電子データとしての保険にはなっています。
最近は、係属中の案件を電子化して特許管理システムのワークフロー機能を使用し、電子データで運用される企業が増えてきました。2002年からスタートした弊社の特許包袋電子化サービスは、電子データでの運用を強く意識したものでありましたが、今回のアンケートでも、そのような評価を得られたと実感できました。
2012年 1月
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